麗しの杜

お知らせ

<全体会 講話>創立者に学ぶ「世を益する~廣池千九郎の志~」

 

 麗しの杜では年に1〜2回、当法人の創立者である廣池千九郎(1866〜1938)の事蹟に触れる時間を設けています。6月15日(水)の全体会では、廣池千九郎記念館副館長・矢野篤講師にお越しいただき、「世を益する〜廣池千九郎の志〜」というテーマでご講話をいただきました。

 

 廣池は生涯、「学問」「教育」「社会貢献」の3つの分野において、世を益するために高い志を持って取り組みました。

 廣池の業績は多岐に渡りますが、講話の中に登場した事例を挙げると、22歳のときに編纂した道徳教育の教材集『新編小学修身用書』があります。そこでは、養蚕業や傘事業など、それぞれの分野で社会貢献した一般人の事例を取り上げています。これは、社会に貢献できる人間の育成に主眼を置いています。

 また、廣池自身も社会奉仕活動に尽力しました。明治33年に東京・本郷で起きた大火災では、妻の春子と共に被災した住民へおにぎりを配り、その援助活動が新聞にも掲載され、東京都知事から褒詞を受けています。

 廣池の社会貢献の原動力となったもの、それは「惻隠(そくいん)の心」です。惻隠の心とは、中国の思想家・孟子の言葉で、どんな人の中にも存在する、不幸な立場の人たちへの痛切な同情心や憐れむ心です。

 

 こうした廣池の事蹟は、当館スタッフの心にも響きました。

「人に対する同情の心が仁に繋がるということは、私でも他の誰かの役に立つことができるという希望に繋がり、勇気をいただきました」

「養蚕や傘事業を広めた方の話を聞いて、手に職を持つのは大事だと感じました。感謝、敬意、思いやりを持って、ご利用者様やご家族と接していきたいと思います」

「志を持つことで目標、目的が定まり、何のために行っているのかが明確になることが分かりました」

「麗しの杜でお仕事させていただけることを誇りに思います」

など、感想を述べていました。

 さらに、「麗しの杜」にある「麗」の字には同じ志を持つ者同士が切磋琢磨し高め合うという意味が込められているというお話もありました。初めて意味を知って感動したと話しているスタッフもいました。

 創立者の事蹟を知るだけでなく、廣池の生き方から日々の仕事に活かせるヒントも得ることができた、大変有意義な時間となりました。

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